獅子牡丹 盃 九谷焼
川上真子
凛とした牡丹の花と、躍動感あふれる獅子。小さな盃の中に描かれた獅子は、川上真子さんにより、安住の地で駆け回り、牡丹に戯れて無邪気な喜びすら感じているように思える。
「牡丹に唐獅子」古来より目にする絵図の意味。それは、「あなたの依どころは何ですか、あなたが安心して身を寄せられる安住の地はどこにありますか。」獅子は百獣の王と言われるが、ただ一つだけ恐れるものがあった。それは、獅子身中の虫。虫は増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく。しかし、この虫は牡丹の花から滴り落ちる夜露に当たると死んでしまう。そこで、獅子は夜に牡丹の下でやすみます。獅子にとって安住の地は牡丹の花のしたでした。
川上真子さんのどこまでも清らかな白と優しさと強さの青を、是非堪能ください。